神様からの内示があり「次は極寒の地に行くことになる」と言う事を婦人会の人達に話されていたので厚着で綿入れの衣類等を事前に推量して、司完師の為に作られていたのでした。
間もなく北海道への特派宣伝使としての辞令を受けることになる。
青函連絡船に乗り、青森から函館に向かったのでした。
教団本部から特派宣伝使の行かされる処は、その土地に何か問題を抱えている処である為で、その人物の処理能力を試されているのでした。
北海道には「北光会」と言う組織があって、いくら本部からの拝命を受けた宣伝使であったとしても、自分たちの目に叶った人物でないと一切受け入れられない、と言う強力な圧力を持たれていたのです。
何度も本部から派遣されて来る宣伝使を断って来た北海道の指導者達は函館の地には、一歩も上陸させじと隊を組んで声を荒げていたのでした。
その様な行動を見ていた地元の婦人会が「あまりにもかわいそうです。とりあえず、お話を伺って見てからお考えになったらおかがでしょうか」と仲介役を買って出て来たのでした。
幹部達は、司完師の霊的な能力をテストすべく、某教団の御神体を目の前に出して来たのです。そして「これに就いて答えよ」と問題を提示されたのでした。
正神界の神々様に於いては、人を導くに「奇を持って導くなかれ」と言う事が元来定められていて、世に言う霊能者の様にもののお伺い事師の様にしたり、例え霊の真相を見ていても、それを口に出してはいけない。まして人の前世とか、その人に如何様な霊が憑いているとか等も言ってはならん事になっているのです。
この正神界の定められた事を今守らんとすると、その場から追い出されてしまう事になるし、と言って相手の言う通りにすると霊能者のマネをしてしまって、ご正神の教えに反するし、と迷われるのですが、エイッやらんといかんと、思い切って天に祈りを捧げられるのでした。
すると何か頭部に金の輪が折りて来て、しっかりとはまったと思うと、その金の輪のまわりより頭の中に向かって声が聞こえてきたのでした。
「これに在る神は真実の神にあらず、人間の知恵から作られた人造の神なり、この様な神を長年拝んで居ると精神病となるなり」と言う内容であった。
教えられた内容を在りの儘に答えると皆、驚いてしまったのです。
霊的なテストに合格し北光会に責任者として受け入れられるのです。
テストの時、頭に掛けられた金のハチマキは、出雲のシャーマン達が、神代の時代に使用していたのです。
北海道時代の体験談として『天使の声』に記載されているのは、昭和九年の夏、同爺にて催された講演会の為に出席され、その前に同爺湖畔で自殺者の霊を救われる処が書かれている。この時救われた青年の生まれ替わりの人物と後日再会されることになるのです。
又、有珠郡の町を訪問された時、馬の霊に祟られた牧場主の家を助けられる話や、土地の産土神との交流の話が体験談として書かれている。
又、「神祠の再建」に記載されている。瀬棚の神のお加護により、再建された神社は琴平神社の事で大きな山裾に建てられ現存している。「社を建てよ、うまく行く」とのお計らいを村人達に伝えられ、村の守り神を祭られることになるのです。
又来訪者に対しての体験談の中に、苫小牧警察の要請を受けて、天照大神の御祭神とする村と八幡神を御祭神とする村との、御祭神はどちらが上か、と言う村の争いを調停されることもあったそうです。
又、北海道の磯野の信仰者の家に泊まられた時、その家の悪霊となって子孫を邪魔している先祖を処理される話をされています。
子孫が先祖から受けている弊害が不幸を招いている事があるのです。
先祖霊の改式の大切さと、子孫の先祖に対する供養の在り方をどうすべきかを話されています。