本部での講座の最中でした、出口聖師に呼び出されるのです。
そこには大阪分院の連合会長の猪原光太郎氏がいました。猪原氏の要請で本部から、筋金入りの宣伝使を大阪に送って欲しいとの事でした。
聖師はその場で「大谷さんに頼みなさい」と申されたのですが、私には自信がありませんと断りたいと言ったのですが「大谷さん、貴方は商売人じゃないか、商売はマイドマイドと唐臼の修業をして来たじゃないか、それさえ出来れば難なく出来る」と申され大阪行きを決める様に勧められてのでした。
本来、本部から上位の宣伝使が派遣されるのは、その地域に霊的にも大変な問題が発生していて、それをたてなおさなければよくない処なので、派遣の意味があり能力を持った人物でないと対応出来ないのです。
司完師は、特派宣伝使と言う教祖の代理人としての立場を戴いて、未知の大阪の霊界を体験することになるのです。
その当時大阪の分院には京都帝国大学のいわゆる金時計組と言われる理論派の人物がいて、本部より派遣されて来る宣伝使はことごとくこの人物にやり込められてしまい、本部に追い返されていたのでした。
「大阪には鬼が居る」と恐れられていたのでした。
この人は大阪の分院の屋敷をあたかも自分の家のごとくに使っており、我がもの顔の仕切りをしていたのです。
そして、この人物と対面することになります。
お互いに自己紹介をしてこの人物の胸の辺りをフッと見ると青色の炎が燃え上がっていたのでした。
「貴方の胸には恐ろしい霊の青火が燃えてますよ。この様なものが心の中にある間は、尊い神様の御用にお仕えすることは出来ませんよ。出直しなさい。」と注意されたのです。その一言でダウンされてしまったのでした。
そして「この男は今まで来た者達とは違うぞ」と笹岡氏は思われたのでした。
この青火とは、陰湿な心に根を持った怒りの心の働きが起こしているものなのです。
この様な性格の人なのですから、ヨシ時間を掛けて調べてやろうと司完師のカバン持ちとなって一緒に講演会に出席されたのですが、行く処々の話の内容が一ツも同じものがなく、一体この人の話のネタはどこから来るのだろうかと驚いてしまったのでした。
司完師は「私の話のネタは尽きることはない。それは全て霊界に水源があり、私の問屋は大きいから、いくらでも出て来るのである」と申されていました。
この事があってから、この人物は、司完師を尊敬する様になり次第に傾倒して行くのでした。