一人二人と人に親切にお世話をしている内に次第に家に集まる方が増えて来るのでした。自然発生の様に支部を設立せんといかん様になって来たのでした。
支部名を「天祐支部」と名付けられました。文字通り、天の祐けを受ける支部と言う意味です。
ある時漆喰屋の親方より依頼を受けました。その親方が言うに、そこのお家に出入りして聞いたそうなのですが、二人の小学生の男の子が居る家で、この兄弟が耳の病気になっていて、兄の耳を治すと次に弟が悪くなり、弟の耳を治すと兄の耳が悪くなるのです。その家の奥さんに頼まれて、家に何か災いがあるか、見てくれる人を紹介してほしいとのことでした。
そして司完師に頼まれたのでした。
その依頼を受けて訪問してみると、大変な豪邸で三代前から朝鮮で商売を成功された家でした。
屋敷全体の隅々まで、調査されたのですが、大したものは感じられなかったのでした。最後に広いお庭に面したお屋敷に面した来た処、急に眠気を催してきたので、その場でことわって仮眠することにしたのでした。
すると霊身は肉体を離れて、庭の中央に立っていたのです。庭の一ツ一ツ見ていると庭の角に古い井戸が掘られていて、その向かい側に何か動くものがあります。よくよく見ると黒味をおびた大蛇(3m程)だったのでした。その蛇は鎌首をあげてこちら見てペロペロと長い舌を出しているのです。
その舌の先から蛇の意思が言葉となって伝わってきます。
「ワシはこの家の数代前からこの家を守っている地神である。
水害や地震等のときも守って来ているのだが、この家の主達は一行に気付きよらんので、忠告の為に子供達に耳に病を起こさせて教えているのだが一ツも気がつかん。
貴方は話の解りそうな人なので言うが、ワシを神として祭って下されんか、そうすれば子供達の耳も治し。この家を以前より立派に守ってやる」
と言うのでここの家の主人に伝えると約束した。
そこで、奥さんに事の経緯を話すと「私はそんな迷信的なことは信じません」と聞く耳を持ちません。
「奥さんが出来ないと言うなら、私がお宮を買って霊物の言う通りにしてやりますから」と言うのですが信じないのです。
当時御主人は朝鮮に主張されていたので、主人が帰ってきてから返事をします。と言うことになりました。
主人が帰宅されて今度のことを奥さんが話すと「今の時代に迷信的なことは言うな」と一声で聞き入れなかったのでした。
その後いつまでたっても返事がないので、訪ねてみると門には木が✕字型に釘で打たれ、売り家になっていたのでした。
話によれば、ご主人が運転をあやまられて死亡してしまい。それからと言うものは、その家は不幸続きで屋敷を売りに出されたようでした。
司完師は、あの蛇やりおったな〜と、思われたようでした。
この様なことが日常霊的にあるのです。