昭和三十二年出された『天使の声』は一巻から五巻のものでありました。言わゆるガリ版で書かれたものでありました。学校の先生をしていた若岡寛氏にガリ版の経験があるので若岡氏に字体で出版されたのでした。
続いて、一巻から三巻までのものにまとめられています。
現在の様に一冊の合本にまとめられ出版される様になったのは昭和四十四年からなのです。
本が出来上がったので若岡氏は「これを如何にするのですか」と聞きますと司完師は「多くの人達に頒布し買ってもらうんじゃ」と答えられたそうです。
それで『天使の声』の頒布会「ことしろ舎」が同時に設立されたのです。
『天使の声』頒布会「ことしろ舎」は、静岡県清水にも作られました。場所は乾病院でした。
神様は「清水から開け」と申されたからです。その神意を伺われると、古い時代に日本を汚し始めた国土は清水らしいのです。従って清めの御用を始めるのは清水からであると言うことであった様なのでした。
司完師が清水に入られた時、神様から謎で示されて問題を提供されます。それは夢の形式で見せられました。三ツのダルマが並べられています。そのダルマにはそれぞれ名札が付けられています。
一ツは乾、一ツは西村、一ツは度会。そこで謎を解されるのです。ダルマとは手足が付いていない、従って働きがないので、この者達に何か仕事を与えてやれとの神のお示しなのです。
神様より謎を示された司完師は、三人に会って事の次第を話され、かねてより心にあった、スェーデンボルグの『天界と地獄』の出版をするべく仕事を与えられるのでした。
これは、個人的には、スエーデンボルグという人物が自分と同じように霊界の見聞をされていて、先に文献を表し表現方法を参考にされた為、御礼の意味で『天界と地獄』の訳本を一千部限定でだされたのでした。
この本の発行の夜、スエーデンボルグの精霊が脇ぞえ二名を従えて現れ、感謝の意を表した事があったのでした。
この本は昭和三十六年三月三日に現代新社より、出版されています。